プロット自体はありふれていますが、イタリアならではの色彩感覚が、単なるブレードランナーコピーではないことを物語ります。登場人物達の気だるい雰囲気も最高。何気に音楽には元PFMのマウロ・パガーニがクレジットされていたりもします。地中海の黄昏を感じさせてくれる渋いサイバーパンクです。
クリストファー・ランバートの最高傑作おすすめ度
★★★★★
フィリップ・K・ディックとか、ウィリアム・ギブスン等の、いわゆる「サイバーパンクSF」と呼ばれる近未来の雑多で混沌とした世界観が好きな人に、間違いなくおすすめ。「JM」や「ブレードランナー」に勝るとも劣らぬ再現ッぷりが最高にイカしてる。
巨大企業が支配する都市国家、あまたの人種が居住区を作って住み、暴力的喧騒に満ちた下町。細菌が蔓延し、雪が降り続く終末の予感漂う町並み。そこを舞台に、一人のゲーム・クリエイターと、彼の作ったゲームの登場人物でコンピュータ・ウィルスにより人格が芽生えてしまった男の、生と死をめぐる物語が静かに展開される。
抜群のヴィジュアル・センスに目が行きがちだが、ストーリーが極めて優れている。タイトルの「ニルバーナ(NIRVANA)」とは英語で、仏教用語の「涅槃」の意。「涅槃」とは、この世の輪廻転生の無限地獄からの解脱を達成した境地のことであり、仏教が目指す最高到達点のひとつ。本意でないとはいえひとりの「人間」を作ってしまった男の苦悩と、ゲーム内の男との友情、そして彼らが最後に選ぶ選択肢とは何か? 輪廻地獄のこの世を、ゲーム世界にたとえて、そこからの解脱の様子を限りない美しさと切なさで見せてくれる。
イタリア人でありながら仏教を理解し、独創的なアイデアでひとつの奇跡の物語を作り上げたのは、「エーゲ海の天使」でアカデミー外国語映画賞受賞のガブリエレ・サルヴァトレス監督。主演は「ベイウルフ」や「ハイランダー」シリーズなど、B級映画の雄というイメージが強いクリストファー・ランバートだが、本作では確かな演技力を見せる。共演にはサルヴァトレス作品の常連、ディエゴ・アバダントゥオーノら。
この映画の主人公は誰?おすすめ度
★★★★☆
仮想世界と現実世界が反転してて面白い。ゲームのキャラの方が人間臭く、現実の人間の方が一つの駒にしか過ぎないというのがなんともいえない。ワタシ的には「マトリックス」や「マイノリティーリポート」よりもこっちの方が好きかも。ゲーム会社の名前が「オコサマスター」だったり、針みたいなメモリースティックひとつに個人の全人生が記録でき、それを他人の脳にインプットできたりと、設定や小道具の使い方に目を惹いた。SF好きには中々見応えがある映画。映像もとっても良い。
素晴らしい出来栄え
おすすめ度 ★★★★★
非常に素晴らしい一品だと思います
。これは買わねばならないでしょう!
ご参考になれば幸いです。大変お勧めですよ!!
概要
2050年、クリスマス。主人公ジミーは多国籍企業オコサマ・スターのゲームクリエーター。自作ゲームソフト「ニルバーナ」の発売を間近にして、ウイルスが侵入。ゲームのキャラクターが人間と同じように独自の感情をもち始め、「繰り返しばかりで決して終わることのない仮想世界から自分を自由にしてほしい」と訴える。ジミーは彼の願いを聞き入れるが…。
アイデンティティを探るストーリー。現実か非現実かというボーダラインを、限りなくあやふやなものにした衝撃のラストシーン。ゲームのなかで繰り返される仮想世界の映像グラフィックとアイデアの斬新さは、ほかに類をみないすばらしいできばえだ。イタリア・フランス合作。(齋藤リエ)